
いさ子さんがせっかくくれた映画のチケットで、
大好きな夏谷さんと映画に行ったのに、彼ったら眠ってた。
帰り道も、私が履き慣れないパンプスに苦労してても、待っててくれない。
私は一生懸命彼を追いかける。帰りにレコード屋に寄ってレコード買うし。
「まったく、どうしてああ無神経なんだろ。デートの途中でそんな」
いさ子さんが憤る。
「いさ子さん。券余ったって言ってたけど私にデートさせようって思ってくれたんだ。
ごめんね、なんにも進歩が無くて」
最近しみじみ思う。夏谷さんのこと早くあきらめようって。
だってね、私の片想いなんて、まだまだラブストーリーなんかじゃやないんだもん。
今年の夏も、きっといつもとおんなじ夏。試験と課題とバイト。デートなんて無し――。
Published: 50%OFFリトル・ダーリン 2"> August 3rd 2015 Updated: 50%OFFリトル・ダーリン 2"> August 11th 2016