
暗い夜空を彩る青い月は、恋の誘惑。輝く星は、恋人の瞳。
だから、きらきらした夜が好き。月も夜も消えないで。
郁実は振られてヤケ酒を飲んで帰って来た。恋が破れた夜は真っくらくら。
この先、もう一生ときめきなんてないんじゃないかって、いつもながら思うのよ。
アパートに付くと部屋の前に圭祐がいた。
「何してんのよ、人んちの前で」
「待ってたんだろ。郁実が泣いて酔っぱらって帰って来ると思って」
「何よっなんで…」
「俺のネットワークを甘く見るなよ」
「なんであんたまで入ってくるのよ」
「恒例だろ。ヤケ酒の翌朝、必ず飲みたくなる野菜ジュース。
失恋した時にだけ吸う煙草。美味しい水。お決まりのビデオ。こんな所だろ」
「…やな感じ」
「いい加減覚えるさ。何回目?」
――表題作「2人で愛しあうのなら」ほか、
「It must be Love」「夜中の宝石」「君とこの夜に」「ジュ・テーム モナムール」を収録。
Published: 50%OFF2人で愛しあうのなら"> August 8th 2015 Updated: 50%OFF2人で愛しあうのなら"> August 16th 2016